連邦議員選挙では、記録的な人数のアジア系米国人と、ラテン系米国人が議員に当選した。上院には20人の女性議員が加わった。 

 新たに3つの州が同性婚を認め、2つの州が大麻を合法化した。これまでタブーだった違法移民の問題も解決しようという気運が高まってきている。 

 米国は、真の多様性国家にゆっくりと変貌を遂げている。真の意味で個人の自由、自己実現、そして誰もが尊厳を持って生きられる社会を築きつつある。この先も多くの困難があろうが、オバマ大統領と一緒に、米国は進むべき方向と新しい未来像を見いだそうとしているのである。 

 再選後、初めてのスピーチでオバマ大統領は国民に熱く語りかけた。 

 「君が黒人であろうが白人であろうが、ヒスパニックでもアジア系でもアメリカ先住民でも、若くても年取っていても、金持ちでも貧しくても、健常者でも体が不自由でも、同性愛でも異性愛でも、努力をする気持ちさえあれば、ここアメリカでは成功できるのです。 

 私はそんな未来をあなたたちと一緒に実現できると信じています。なぜなら政治家が言うほど、この国は分裂していません。評論家が言うほど、我々はシニカルではありません。我々は、個人的な野心よりも大きな目的を持ち、支持政党の違いに関係なく団結するのです。それが真のアメリカ合衆国の姿なのです」 


◇「保守的白人」の国ではなくなったアメリカ  石 紀美子