ある大学の授業で、教授がおもむろに大きなガラスの花瓶を卓上に出した。 

そして、その花瓶の中に無言でゴルフボールを入れていき、花瓶をいっぱいにした。 

教授は学生に尋ねた、 
「この花瓶は、いっぱいかね?」 

学生たちは、うなずいた。 


次に教授は小石がたくさん入ったバケツを卓上に出し、花瓶の中に小石を入れ始めた。 

小石を入れては軽く花瓶を振ると、小石はゴルフボールの中の隙間に流れ込んでいった。 

やがて小石はいっぱいになった。 

教授は尋ねた、「さて、この花瓶の中はいっぱいか?」 

一人の学生が、「たぶん違うでしょう」と答えた。 


教授は「そうだ」と笑い、砂袋を取り出し、花瓶の中に砂を全部流し込んだ。 

砂はゴルフボールと小石の隙間をぎっしりと埋めた。 

教授が「これでいっぱいになったか?」と尋ねると、学生たちは声をそろえて「いいえ」と答えた。 


最後に教授は、水を花瓶に注ぎ込んだ。 

水は見る見るうちに砂の中に流れ込んでいった。 


「さて……」 
教授は花瓶を見ながら話し始めた。 


「この花瓶はあなたたちの人生です。 
ゴルフボールは『人生の中で最も大切なこと』を意味します。 

いいですか、ゴルフボールを先に入れないかぎり、それが入る余地は、その後二度とないんです。 

砂や水でいっぱいになっている花瓶に、あとからゴルフボールを入れるスペースは無いんです。 


あなたにとってのゴルフボールは何ですか? 

たとえこのゴルフボール以外のすべてを失っても、それでも『自分の人生は十分に幸せだった』と思えるものです。 

家族、愛する人、安らぎ、志、……。 
そういった人生で最も重要なことです。 

そのゴルフボールを最初に花瓶に入れなさい。 

さもないと、あなた達はそれを永遠に失うことになる。 

失ってからでは後悔のしようもない。 


次に入れるのは小石です。 
これは、ゴルフボールの次に重要なもの。 

あとの砂はそれ以外の日常的なことです。 

多くの人が、最初に砂で花瓶をいっぱいにし、小石やゴルフボールを人生で失っています」 


*野口 嘉則さんからいただいたメッセージです。