厳しい社会情勢が続く中、倒産や合併を経て消滅する企業が後を絶ちません。リーマンショックの翌年2009年に一時急増し、その後減少してきたリストラがまた加速をしつつあります。 
2012年には上場企業での希望・早期退職募集の実施企業数は63社、総募集人数は1万7705人。今年度中にはソニーグループでは1万人、パナソニック本社では7000人規模の人員削減を計画中だそうです。昨年までは製造大手企業のリストラが話題となりましたが、この大きな流れはさらに深刻さを増すでしょう。 

もしもあなたの会社が明日倒産したら、あるいはあなたがリストラをされたら、あなたは自分で稼ぐことができるでしょうか? 
日本経済全体が順調に伸びている時代は、上司の指示をこなしさえすれば誰もが会社にしがみついていられました。しかし、今やたとえ大企業に入社しても定年というゴールを無事に迎えられる保証はありません。 
まさに、大企業という名の『タイタニック号』の上で、イスを並べる船上員、それが今の時代のサラリーマンである自覚が必要です。 

古き良き時代の企業であれば、船を降りることになった船員に対する救済措置がありました。窓際族という「浮き輪」を用意し、あるいは子会社への出向や転籍といった形で救命ボートというセーフティーネットが準備されていたのです。 
ところが、今や企業にも浮き輪や救命ボートを用意する余裕がありません。それはすなわちリストラをされ、船を降りれば即刻、荒波の海に何も持たずに投げ出されることを意味します。 
では、どのようにすればタイタニック号が沈没しても、あるいは下船をしても、生き残ることができるのでしょうか? 

その答えは、【自分ボートを持つ】ことです。 
自分ボートとは、すなわち、会社が倒産したりリストラされたりしても自分で稼いでいける収入の道を得ることができる船大工になることです。 

たとえ、倒産の心配がなくてもリストラに怯え船長の顔色をうかがいながら船に乗り続けるのは苦痛でしかありません。ボートを持たないサラリーマンは、会社や船長に自分の人生を委ね、「生かされている」のです。 
自分ボートを持ち、自分で舵を取り人生の方向性を決められる自由は、あなたに「生きている」実感を取り戻させるでしょう。 
プロフェッショナルのサラリーマンを目指すのであれば、いつでも独立できる力を持つこと、つまり『自分ボート』の準備を今から始める必要があります。 
プロとしてのレベルがあがれば、その報酬として『自由』と『夢』を手に入れます。・・・いや、正確に言うと思い出すことができます。誰もが抱いた子供の頃の夢。忘れている夢と向き合うタイミングが訪れます。 


◇自分ボートを持つためのファイブフォース 

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1.ブランディング 
 世間が興味を持つ自分だけの武器を見付け、それを磨くことです。 
 これが見つかり相手に届くように仕組めれば、美味しい話は向こうからやってきます。 

2.ビジネスセンス 
 世の中の勝ちパターンや負けパターンを見抜き、自らの教訓として活かすことです。 
 これが身に着けば、世の中がチャンスだらけに見えてきます。 

3.マーケティング 
 自分の価値を潜在顧客に届けるチカラです。 
 これが身に着けば、いつでも需要と供給をマッチングさせることができます。 

4.コミュニケーション 
 お互いを高め合える仲間を増やし、自分の提案を実現するチカラです。 
 これが身に着けば、より大きな力でビジネスを有利に進めて行くことができます。 

5.ファイナンス 
 必要な時にお金を引っ張り、それを運用するチカラです。 
 これが身に着けば、未来の時間を今使うことができます。 


*俣野 成敏  プロフェッショナルサラリーマン講座より