点と点の事実をつなぐと、ひとつの明日が見えてくる、近未来予測シナリオをお届けします。 


楽観だけでは、すてきに活きていけない。 

一人ひとりが、”これから”に想いを馳せて、現実(いま、ここ)をいかに位置付け、意味付けるかが、問われているように思います。 

興味がある、ない、好き、嫌いではなく、いま目の前で起こっていることを、目をそらさないで真正面から見つめたとき、あなたには何がみえますか。 

何も行動をおこさないで、想定外の結果を嘆くよりも、行動を起こして、想定した結果でなかったことを、喜びたいですね。 



2007年、世界中でバブルが形成された。 

6京円という1兆円の6万倍もの天文学的な金額のデリバティブという金融バブルが発生した、世界のGDPの10倍以上の金融の饗宴がなされていたのです。 

それがうまく回り世界中に好況をもたらし、やがて、破裂して、世界中を酷い不況に陥れました。 まさに、実体経済は金融のおまけだった。 


そして、金融の肥大化で破裂した経済に対して、FRB(米連邦準備制度理事会)はじめ、世界中の中央銀行はお金を刷れるだけ刷り、世界中の国は国債を大量発行して、お金をこれでもか!と、ばら撒いている。 

国の破綻を回避するには、それしか方法がないから。 


そして、2009年3月から株が上がり始め、その資産効果と人々のマインドの回復によって、陽炎の様な景気回復局面を現在みている。 

金融でバブルを作り、破裂し、それを金融で修復して今に至っているが、最後の最後は、止めどもない金融の氾濫が起こり、収拾がつかなくなる。 

まさに、いまは嵐の前の静けさであり、デフレとインフレが微妙なバランスで世界中を覆っている。 


失業率上昇のボディブローが効いてデフレに戻れば、さらにインフレ政策を取るしか方法はない。 
止めどもないインフレになるまで、この政策を続けるしかない。 



さて、金の価値には二重性があると言われている。ひとつは商品として、もう一つは通貨としての金である。 

金の価格は他の商品とほぼ同じトレンドで動いており、まだ通貨としての性質は発現していない。 
金は他の商品(CRB指数など)と連動しており、景気回復感に伴った上昇であり、株価とも連動しているし、商品価格と連動しやすい欧州通貨とも連動している。 

昨年の秋から冬の信用収縮時に、人々が殺到したのは、ゴールドではなくキャッシュ、さらに言えば、米ドルでした。金の延べ棒より、ドルの現ナマが魅力的だったのである。 

ドルを入手するために、金は700ドルを割るまでたたき売られた。 

今後も従来のような様相が続く限り、金価格は景気に連動する。 

2009年の秋(9月から10月)か、冬(1月から2月)に景気の天井を迎えるのではないか、そこまでは金も上がる。 

その時には、金価格1300ドル程度は期待できる。 

同時にドル円やクロス円や、ダウもその天井までは上昇する。そして、その後の景気のダウンで、金価格も下がり始める。 

その後、金が他の商品の下落にもかかわらず上昇するのは、 
米ドルへの信用が本当になくなるという事態に陥り、最後の究極の通貨としての金に焦点が当たる時だ。 

具体的には、米国の株が暴落し、米ドルが下がり(ユーロドル急上昇)、米国債利回り急上昇(債券安)という、いわゆるトリプル安がそのトリガーとなると思われる。 

現状のように、株が上がりながらの国債利回りの上昇は、まだ問題にならない。  

米国の銀行が再度危機に陥り、通貨の信用を維持できなくなってインフレが顕在化し、国債の発行ができなくなり資金投入するための財源がなくなった時に、通貨としての金の出番がくる。 

一夜にして。