最近注目される高濃度ビタミンC治療  ・・・  低線量率被曝と同じ原理


■ 「抗がん剤」で癌になる ■

抗がん剤には様々な種類のものが存在しますが、基本的には副作用が大きく、仮に癌が小さくなったりしたとしても、その後の生活のクオリティーが大きく低下します。
特に免疫力が低下する為に、仮に癌の進行を遅らせたとしても、肺炎で亡くなる様なケースが多くあるのです。

これは抗がん剤が概して「全ての細胞に対して毒」として作用する事に起因します。
正常な細胞はDNAの修復能力が高いので抗がん剤によるダメージをある程度キャンセル出来ますが、癌細胞はDNAの修復能力が低下しているので、最終的にDNAがムチャクチャになって細胞死に至ります。

これは癌の放射線治療と同じ原理で、健常細胞が放射線によるDNAのダメージを修復するのに対して、癌細胞はそれが出来ず(劣っている)、細胞死(アポトーシス)します。

癌の種類によって抗がん剤の効き目に違いがあるのは、本来「毒」である抗がん剤を、癌細胞に選択的に吸収させる方が、他の細胞へのダメージが少ないからで、ある種の癌細胞が選択的に吸収する「毒」が選ばれる為です。

ただ、抗がん剤の影響は正常細胞のDNAを痛めつける事に変わり無いので、爪や毛髪細胞など分裂が活発な細胞に異常が生じます。
さらには、健康な細胞のDNAのダメージは100%キャンセルされる訳では無いので、抗がん剤治療は新たな癌細胞を生み出し、将来的な癌の発生を促しているとも言えます。
これは乳癌などの放射線治療でも同じ事が言えます。

これらの「発癌性のある治療」が容認される理由は、この治療による延命のメリットが将来の癌発生のデメリットを上回るからです。
今、癌で亡くなってしまっては、「将来」はやって来ない・・・そういう考え方です。
 

■ 抗がん剤耐性を有する癌細胞 ■

様々な副作用によって患者に負担を掛ける抗がん剤治療ですが、効果が有ったり、無かったりします。
又、最初は良く効いた抗がん剤が次第に効果を失うケースもあります。

これは癌細胞が最初から抗がん剤に対する耐性を有していたり、あるいは抗がん剤治療の過程で耐性を獲得する事によって起こる現象です。

これは本来細胞が持っている能力なので、当然と言えば当然の結果です。


■ 高濃度のビタミンCが癌を小さくする ■

副作用の少ない癌の治療法として近年「高濃度ビタミンC治療」が注目されています。

この治療方法が発見されたのは1976年です。
米国の化学者ライナス・ポーリング氏は、アメリカの科学アカデミー紀要「PNAS」に、「末期進行がんの患者にビタミンCを点滴とサプリメントで投与すると、生存期間が4~6倍延長した」と発表しています。

ところがこの研究は、1978年にアメリカのメイヨー医科大学がビタミンCにがん患者の延命効果はないという論文を有名医学雑誌に掲載したため、否定されてしまいました。

ところが、2005年にアメリカ国立健康研究所、国立ガン研究所、国立食品医薬品局の科学者達は共同で「高濃度のビタミンCはガン細胞を殺す」という論文をアメリカ科学アカデミー紀要National Academy of Sciencesに発表した事で再度注目を集めます。その後に様々な研究発表が続きます。


■ 高濃度のビタミンCは過酸化水素H2O2を体内で発生させる ■

一般的には「抗酸化物質」として知られるビタミンCですが、体内で高濃度を保つ量を投与すると過酸化水素H2O2を発生させます。

過酸化水素は強い酸化作用を持っていますが、生体温度ではその作用が活発ではありません。
ただ、金属イオンや光によって分解してヒドロキシルラジカルを生成します。ヒドロキシルラジカルは「フリーラジカル」と呼ばれ強い酸化作用があります。これがDNAに損傷を与えます。

健康な細胞内にはカタラーゼという酵素が存在し、活性酸素を速やかに酸素と水に分解します。一方癌細胞はカタラーゼがほとんど生成できないので、過酸化水素を分解する事が出来ません。

過酸化水素自体も強い酸化作用が有りますが、金属イオンが存在するとヒドロキシルラジカル(フリーラジカル)を生成するので、DNAが破壊されます。

この様な効果を得る為には一回に25g~100gのビタミンCを投与する必要が有り、これは当然口からの投与が難しいので、点滴によって血中に直接投与されます。週2~3回、この治療を繰り返す事で、癌細胞を選択的に攻撃します。


■ 高濃度ビタミンC治療は副作用がほとんど無い ■

高濃ビタミンC治療の良い点は、副作用がほとんど無い事です。
健康な細胞はカタラーゼによって過酸化水素の効果を低減できるので、副作用が無いのです。

さらに、癌細胞はビタミンCを選択的に取り込む特長を持っています。
これは活発な増殖をする癌細胞が普通の細胞の6倍のブドウ糖を吸収する事に起因します。実はビタミンCとブドウ糖の構造が似ているので、癌細胞はビタミンCを選択的に取り込む性質を持っています。

この事も副作用の少なさに貢献します。
カタラーゼで分解されるとは言え、過酸化水素は活性酸素ですから健康な細胞にも影響が無い訳ではありません。ですから過剰な濃度になれば、副作用や将来的な発癌のリスクが高まります。

癌細胞が選択的にビタミンCを取込むことで、副作用のリスクが低減されています。


■ 癌細胞に選択的に取り込まれる抗がん剤と併用で効果が高まる ■

過酸化水素がフリーラジカルに分解される為には金属イオンが必要になります。
癌細胞に選択的に取り込まれる金属イオンが有れば、ビタミンCの効果はさらに高まります。

元々、癌細胞が分泌する酵素の活性中心には金属イオンが存在しています。
これも過酸化水素をフリーラジカルに分解する効果が有るはずです。しかし、もっと癌細胞に選択的に姻族イオンを取込ませる事が可能であれば、ビタミンCの抗癌効果は高まります。

最近の抗がん剤は、特定の癌に発現する酵素などに結合する「分子標的薬」という種類の物が存在します。
抗がん剤は正常細胞にも悪影響を与えるので、癌細胞に標的を合わせて選択的に取り込ませる事が出来れば、副作用を軽減できるからです。

この様な癌に選択的に取り込まれる性質の有る抗癌剤に金属イオンが存在する(あるいは結合させる)ならば、ビタミンC由来の過酸化水素がフリーラジカルに分解され易くなります。

ビタミンCの治療と、従来の抗ガン剤の治療を併用すると効果がある原因は、抗がん剤に含まれる金属イオンに原因が有るのかも知れません。

将来的には癌細胞に「分子標的」する無害な物質に、金属イオンを運搬させる事で、副作用をほとんど発生させること無く、ビタミンCの抗癌効果を高める事が可能になるかも知れません。


■ 高濃度ビタミンC投与による将来的な癌の発生の可能性 ■

ただ、高濃度ビタミンCが体内で生成する過酸化水素は、健康な細胞の金属イオンとも反応してフリーラジカルを生成し、それは健康な細胞のDNAを破壊します。
さらには、過酸化水素自体が活性酸素ですから、細胞に何等かの害を与えます。

活性酸素が増えた状態は、ジョギング時に活性酸素が増える事に似た状態であり、細胞はカタラーゼや他の活性酸素除去酵素の分泌を増やす事でこれに対応します。
さらには、免疫細胞の働きを活性化させ、癌細胞が発生したとしても、それを速やかに排除します。

この効果は、「低線量率被曝の免疫向上効果」に良く似ていると思われます。
低線量被曝も体内で活性酸素を増やす事で、免疫機能を活性化させます。

まだまだ、研究が始まったばかりの高容量ビタミンCによる癌治療ですが、人間の活性酸素に対する対処能力を上手く使っているという点において、従来の抗がん剤治療に無い可能性を感じています。


この治療の効果が立証されたなら、抗がん剤の研究は、癌細胞を殺す事から、癌細胞に選択的に金属イオンを取り込ませる研究に変わる可能性があります。
もしかすると、将来的には副作用のほとんど無い、癌治療が確立するかもしれません。


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