人生という名の遊び場で、いま、ここを活かされ、すてきに活きる

時代の本質をとらえた、心に残るすてきなメッセージ[構想、視点、こころ]と、新たな気付きをあなたに届けます。みずみずしく、活き活きとした、すてきな旬(ときめき)を一緒に探しにいきましょう。      ◆◇たきがみ博士が選ぶ”すてきなメッセージ”のおすそわけ◇◆

2010/05

経済的にも精神的にも豊かに暮らすためには、みずからの固有の価値を高める必要がある。 
また、人生を楽しむためには、プライベートだけでなく、人生の半分の時間を占める仕事も楽しまねばならない。 

働く理由が、生きるため、生活のため、義務だからでは、一度きりの人生がもったいない。 


人間の幸福は、 
・人に愛されること、 
・人にほめられること、 
・人の役に立つこと、 
・人から必要とされること。 


目の前の仕事が誰の役に立っているか、社会にとってどんな意味があるかを問うことで、やりがいだけでなく、仕事に対する誇りを持つことができる。 

また、経験した複数のキャリアを組み合わせて、みずからのスペシャルなキャリア、オンリーワンの魅力につなげることができる。 
専門性は狭い分野での深いスキルや経験のことだが、狭く深くよりも広く浅くの視点がキャリアとして生きる。 
広く浅くの視点は、部分最適ではなく会社全体から俯瞰した全体最適の判断につなげることができる。 

  
そして、変化の時代を生き抜くために、 

◇独自性   : 顧客や社会にとって価値ある独自性があれば、たくましく生きていく 
           ことができる。 

◇課題構想力 : 課題を解決するために何が問題なのかをはっきりさせる力は、仕事の原点。 
           力を高めるには聞き上手になることだ。 

◇課題解決経験  : プロジェクトなど課題解決経験のチャンスには、買ってでも 
            飛び込むこと。 

◇バイタリティー : 仕事をする上での基礎体力の差は、いざというときに効いてくる。 
            バイタリティーは、常に前向きで主体者として発想し、 
            取り組む習慣と、一度定めた目標を必ず達成しようとする 
            しつこさである。 

◇人脈    : 一人の取り組みには限界がある、 
          いざというときに、信頼できるビジネスパートナーとの関係を深めて 
          おくこと。 


さらに、将来の可能性を広げるために、独立・起業という選択肢も視野に入れることが大切。 

従来の協調性があって従順なだけの人材は、社員でなくても簡単に手に入れることができる。 
企業の本音は、チームとしての協調性を掲げながらも、先の読めない時代を切り拓いていける人材への渇望感から独立心や起業家魂を持った人材を求め続けている。 
ふだんから独立心や起業家魂を磨いておけば、いざというときに独立や起業を目指すことができる。 

少年野球チームに所属する少年は、今はレギュラーになれなくても、いつかを信じてバットを振り続ける。 
子どもたちの真剣勝負は、対価を得るためではなく、どう生きたいかを純粋に表現している。 

少しでも前に行きたい、成長した自分を感じたいという思いを持ち続けて、仕事に一生懸命に取り組めばきっと何かが見えてくる、きっと新たな何かが生まれる。 

       100512watanabe

【メッセージ要旨】 

日本経済を再び成長軌道に乗せるには30兆円に及ぶデフレギャップを財政・金融の一体政策で解消する必要がある。 
そのうえで人口30億人のアジア内需を取り込むため、政府は各種協定を結び国境の壁を低くすべきだ。その際、官僚統制・中央集権を脱し民間企業や地方自治体が主役になるようにするべきだ。 
米国の金融危機の引き金だった住宅価格の続落や、人民元の切り上げを迫られている中国のバブル崩壊の兆しの中で、日本景気の二番底懸念は根強く残る。民主党政権は多くを配って消費税増税で回収するという点で自民党と軌を一にする。官僚主導から政治主導に転換することに失敗し、「政権交代」だけが唯一の成果である。自民党から分かれた新党が相次いでいるが、「国会内の新党」は一時的に終わるのではないか。 
国会を飛び出し、地方中心の草の根国民運動を進めるみんなの党が第3極として政界再編の核になっていきたい。  
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 みんなの党は2009年8月に発足したが、今年4月は竹の子新党が相次いだ。私は自民党を離党し、みんなの党を立ち上げてから8カ月間全国各地を回り、草の根国民運動を進めた。最初に行った三重県松坂市では、自民党と民主党が推し3期目を目指す現職市長に、民主党の県会議員が離党し保守系市民に支えられて挑んだ。そこに私が参戦し、絶対勝てないと言われた戦いに現職の1.5倍の票を集め大差で当選した。これは何かが動いていると確信した。 
国会の中で5人集まって新党をつくることは一見華々しくみえる。だが、これは一時的なものに終わると思った。国民が政治に辟易しているからだ。当時の麻生太郎首相は官僚を使いこなすと言いながら、使われてしまっていることを国民は知っている。国会を飛び出し、国民の懐に飛び込んでいくことが重要だと分かった。「国会内で新党」は直接的なアプローチだが、私は迂遠なものの国会の外という間接アプローチを採った。タウンミーティングなどを行えば、中央のメディアは取り上げなくとも地方メディアは取り上げてくれる。こうしたことを8カ月間続け、みんなの党を立ち上げた時に、草の根運動を支えてくれた人たちが衆院選挙の候補者になってくれた。この夏の参院選挙に向けてこの国民運動が続いている。 


◇裏方部隊不在の鳩山政権 
 衆院選挙前の昨年6月、民主党による政権交代が確実視される中で、私と江田憲司衆院議員(現みんなの党幹事長)は鳩山由紀夫現首相と菅直人現副首相兼財務相と会った。「官邸に入る時は霞が関(官僚)の細部戦略が分かる裏方部隊を連れて入ってほしい」とレクチャーした。政治家である大臣が大方針を指示すると、官僚はその細部戦略を詰める。その際、官僚のレトリック(巧言)で大方針と違う箇所が随分ある。この細部の落とし穴を発見するのが裏方部隊だ。大方針に基づいて駒を着実に進める。私が金融担当相の時は補佐官チーム(裏方部隊)が作ってきたメモを見ながら、あたかも自ら細部の落とし穴をみつけたようにして官僚に指示すると、その通りに動かざるを得なくなる。そのことが政治主導で大事であると口を酸っぱくして言ったが、結局彼らは聞き入れなかった。 
鳩山内閣の発足後、「官僚を使いこなせ」とどこかで聞いた同じセリフを言う。「官僚を使いこなす前に官僚を選べ」ができていないのだ。民主党は昨年、政権移行チームを検討したが、実現できなかった。このチームは国家戦略スタッフであり、裏方部隊になれたはずだ。党内の権力構造に起因し、首相官邸の主がダミーで、もっと力の強い人が党の方にいたということだ。 

 官僚を選べず、自民党幕藩体制を支えた官僚がそのまま民主党政権を支えているので、改革なんてできるわけがない。民主党政権になって各省庁の政務3役が注目されているが、本来裏方部隊がすることを政務3役がしている。閣議も民主党政権になってもあまり変わっていない。政令などに花押(署名)するお習字大会になっている。 
本気で政治主導にするならば、閣議後の閣僚懇談会で事業仕分けをすれば良いのだが、そんな話も聞かない。政治主導とは内閣主導であるのだが、全然できていない。100人以上の政治家を内閣に送ることや事務次官など官僚の幹部人事を握ることもできていない。官僚の抵抗マニュアルがある。リーク、悪口、サボタージュの3大手法だが、民主党政権にはこれを打ち破るノウハウがない。それは官僚のレトリックを熟知している裏方部隊がいないからだ。この政権はスタートダッシュができずに大失敗し、政権交代だけで終わるだろう。一方の自民党は崩壊過程にある。与党であることに存在意義があったが、野党では崩壊するしかない。結局、次の選挙では国民が2大政党制にはっきりと駄目だしすることになるのではないか。 


◇第3極として政界再編の核に 
 そのためには自民党でもなく民主党でもない勢力が、いかに沢山の候補を擁立するかにかかっている。みんなの党は公認候補だけで21人いる。アジェンダ(政策課題)に賛成し、47都道府県をカバーする「47士作戦」をとっている。英国でも連立政権が誕生する。保守党と連立を組む第3極の自由民主党が登場したのが1970年代。英国の場合、日本と違って完全な小選挙区なので時間がかかったが、2大政党制に国民の駄目だしが出たわけだ。日本には比例代表並立制があり、比較的第3極が出やすい環境にあるが、みんなの党はアジェンダを明快に出すことを考えている。これが選挙のカギを握る。 

 自民党、民主党とも国民にお金をばらまき、いずれ消費税増税で回収するという点で軌を一にした政党だ。自民党は官僚依存だが、民主党は官僚に加え組合依存なので二重のしがらみがある。こういう政権の下では、いずれギリシャ化は避けられない。仮に消費税増税が実現しても、増税によって財政再建ができた国はほとんどない。赤字企業がまず製品値上げで凌いだら消費者から駄目だしされる。逆に財政がひっ迫している時は改革の絶好のチャンスだ。赤字企業なら、リストラのために遊休資産を圧縮、売却する。ヘソクリがあれば借金する前に使う。国家財政のバランスシートをみると、年金資産まで入れるとグロスの借金は1000兆円、資産規模は700兆円でネットの赤字が300兆円、国内総生産(GDP)比で6割弱になる。この700兆円の資産のうち、有形固定資産がダム、道路、土地、国有林などで180兆円、残りの520兆円は金融資産だ。貸付金 ・出資金250兆円、現金預金・有価証券等150兆円、年金預かり金の金融寄託金120兆円。これらのお金はすべて、天下りネットワークに流れている。 
膨大なグロスの借金と同時に膨大な金融資産を抱えているのが日本の特徴だ。金融資産の中には不良債権があることも考えられる一方、埋蔵金がまだまだ隠されていることもある。民主党政権は郵政民営化を凍結する法案を出したが、これを従来のように100%株を売却すると埋蔵金は10兆円ぐらい出る可能性がある。まだまだ埋蔵金の発掘は可能だ。いきなり製品値上げ(消費税増税)する前にやるべきことがある。 


◇国家のリストラが必要 
 民間だったら、次の策は経費の圧縮、給与の圧縮だ。国家公務員の場合、非常に精緻にできた給与法がある。上がったら、絶対に下がらない仕組みだ。10年以上デフレから脱却できないのは日本ぐらいだ。自民党政権が官僚任せの政治をしてきた。その政治の企画立案をしてきた官僚は役所の縄張りと身分制人事に支えられ、大胆な政策転換をできないでいる。デフレの時は民間企業なら解雇や給与カットがある一方で、給与は下がらない、解雇されない、デフレにした責任を問われないのが官僚の世界だ。デフレになると失業対策、景気対策、格差是正が必要と霞が関の出番は増える。官僚任せにしていたらデフレから脱却できるはずはない。これが日本衰退の根本原因である。だからこそ政治主導が必要なのだ。 

 国民は政治家に駄目だしできるが、官僚にはできない。政治が内閣主導で官僚をコントロールするのが当たり前ではないかと思う。国家のリストラを徹底して進めていく。同時に成長が止まってしまった日本を再び成長軌道に戻すことが必要だ。それには、まずデフレから脱却することだ。デフレギャップがいまだ30兆円ある。国債の追加発行はできないので、財政、金融政策を一体運用すべきだ。景気の二番底を心配して心配しすぎることはない。 
カギを握るのはやはり米国経済だ。住宅価格は下げ止まったといわれるが、返済遅延などで差し押さえされていない物件がこれから中古市場に出てくると価格は下がる。厳しい金融規制が行われていることから、相当深刻な事態になる恐れがあるとみている。頼みの綱の中国も、ピーク時に比べ株価が2割程度下がっている。上海万博も入場者数が予定の半分ぐらいになるのではと言われている。米中戦略対話で取り上げられている人民元の切り上げが現実味を帯びてくる。為替に的を絞った金融政策をしてきた中国経済がバブル崩壊する方向に進む可能性は捨てきれない。日本は二番底懸念を想定して戦略の立案をしておく必要がある。 

  みんなの党は国会には出していないが、デフレ脱却法案を作ってある。端的に言うと日銀法の改正だ。政府と日銀がアコードを結び、物価安定目標を2%にする。政府が信用緩和政策、例えば中小企業のローン債権20兆円の買い取り要請を日銀にする。引き取った場合、ロス分は政府が補填する。ロス分が3%なら6000億円、6%なら1兆2000億円。すると金融機関はローン債権がキャッシュに変わり、新たな貸し出しあるいは投資が可能になる。その際、みんなの党が提案しているのはエクイティ(株式)金融 (例えば地銀が中小企業の株式を保有するなど)を解禁したらどうか、ということである。民主党政権が出したモラトリアム法案より、はるかに透明なマクロ、ミクロを包括した法案になる。 

 エクイティ金融を解禁すれば、証券化して売却すれば地域型投資信託になる。30兆円に及ぶデフレギャップを解消するには、こうした財政、金融の一体政策という国家戦略が必要だ。そのうえで中長期の成長を達成するには、これも官僚統制、中央集権を止めさせることが重要だ。自民党政権が描いた成長戦略がうまくいかなかったのは、霞が関 が「この業種がこれからの産業」と勝手に決めて補助金を出すような政策を続け、一方で、さまざまな規制で新たな産業の芽を摘んできたからだ。農業をみてもコメを1300万トン能力がありながら850万トンしか作らせない。カリフォルニア米より3割も生産性が落ちている。民主党政権も自民党政権と同じように官僚統制、中央集権で、農家の戸別所得補償も全国一律の金太郎飴方式だ。 
成長するためには民間がチャレンジし、現場がイノベーションするしかない。だから個別の産業政策を行うなら地域に任せる。政府がすることは「開国」することだ。アジア 30億人の内需を取り込み、日本の成長の源とするには、経済連携協定(EPA)、自由貿易協定(FTA)など結び、国境の壁を低くすることが必要だろう。宅急便、コンビニなど日本の内需産業はアジアにどんどん進出している。国家の役回りは外交、安全保障、通商交渉、マクロ経済政策など限定的なものになっていくだろう。日本が国家戦略をきちんと持って取り組んでいくことが重要だ。 


(2010年5月12日 日本経済研究センター昼食会にて) 

-わたなべ よしみ- 1952年栃木県生まれ。早稲田大学政経学部、中央大学法学部卒。平成8年初当選。2006年行政改革・規制改革担当相。07年8月、金融・行政改革担当相。09年1月、自民党離党。脱官僚・地域主権・生活重視の国民運動体「日本の夜明け」(1月)、新党「みんなの党」(8月)を立ち上げる。 



”いま、ここ”をよりよく活きるために、 
どの様な死生観を自分のものとして培い、形成するかが問われる年代になってきました。 

まさに、節目を迎えるにあたり、死そのものをどの様にとらえ、生きることの意味、人生の意味を包含したすてきな価値観として、死生観を確立したいと想います。 


そこで、 
これまで、これからに想いを馳せる上で、こころの刺激が得られる本を紹介します。 

◇「死にゆく者からの言葉」 文春文庫 500円 
  死にゆく者たちは、その瞬間、自分の人生の意味を悟り、未解決のものを解決し、 
  豊かな愛の実現をはかる。 
  死にゆく者の最後の言葉こそ、残された者への愛と勇気である。 


~ 一部抜粋(P266) ~ 

だから入院するほど肝臓が急激に悪化したしたと知らされたときは、誰にも向けようのない怒りがこみ上げた。しかし、洗濯物を干したあと、お母さんがあまりにもさみしそうな顔をして、ぼーっと空を見上げている姿を見たとき、お母さんや君のためにどうしても生きたいと思った。 
こうした状況の中で、私が病気になったことに対する怒りを身近な人にぶつけることなく、また怒りを自分の中に溜め込んで鬱状態にならないですんだのは、病院の先生方をはじめとした周りの皆さまの並々ならぬ理解のおかげである。 
しかし、家族の支えなしに、どうしてここまで持ちこたえることができようか。 
お母さんも君もどんなに辛いことだろう。それなのに、私の気持ちに添うようにいろいろ計らってくれている。家族三人がそれぞれの思いやりによって、私の気持ちを明るくしてくれるのだ。 

正文よ、私はいま不思議なほど、こころ静かだ。 
死に対する怖れはない。しかし、私は生きたい。これから社会に出て行く君を見守ってあげたい。 
大人になっても、父親が必要なときがある。また、大人として責任を果たしていく君を見たい。 
だが、これは未練というものであろう。人には、覚悟しなければならないときがあるのだ。 
このあいだ、私が冗談めいて、もし、お父さんが死んだら と言ったとき、三人とも顔をこわばらせたね。 
そしてすぐ真剣な表情になった。 
私は家族のそのときの表情を誇りに感じている。 
君たちはすでに、父の病気という現実を受け入れるしっかりした態度を身に付けている。そして、この状況の中で、いまもっとも大切なこと、できることは何か、ということに焦点を合わせ、全力を注いでいる。 
こういう君の態度を見たとき、私は君をこころから信頼できると感じた。 
君の中には力がある。どんな人生でも自分らしく生きていくがいい。君は私の信頼に足る息子である。 

体力が弱っていくにつれ、かえって今まで考えたこともない、研ぎ澄まされた力が、私の存在の奥深い核のようなところから湧き出てくるのを、私は体験したのだ。 
それは、長年仕事をしてきた専門の知識と経験が融合し、高いレベルの力になったということだけではない。矛盾するようだが、体が衰弱していくにもかかわらず、私の中のすべての機能が、つまり感受性や、感覚や感情、思考力、理解力、観察力、その他すべてが統合され、全体として豊かに調和を保っているという感じなのだ。 
私は死を前にした凝縮した時間の中で、人間や生きることについての新しい視点と理解を与えられたような気がする。そうした私の内面の変容を君はすばやく読み取っていたのではないだろうか。 
君は、このあいだ、なにげなくこう言った。 
お父さんはやさしいね。人間としてほんとうにやさしいね。 
私はそれを聞いて、とても嬉しかった。もし、私からやさしさが人に伝わるとすれば、新しい力のあらわれなのだから。 

私にとって大切なもの、 それは改めて言うまでもないことだが、家族の愛だ。私は健康を手放した代わりに、家族の大きな愛をあふれるほどに経験したのだ。 
そしてたくさんの人から愛をもらった。私も家族をそしてたくさんの人たちを愛している。 
私がこんなに静かな気持ちで、近づく死を怖れずにいられるのは、私が決して強いからでも、勇気があるからでもない。 
それは、私は愛している、そして私も愛されている、との強い核心があるからなのだ。 
この確信を私の中に育ててくれた君たちに感謝する。 
繰り返して言う、別れるにあたって、私のこころを満たしているのは、命も惜しくないほどお父さんは君たちを愛している。そして、私が君たちを愛すると同じくらい、君たちも私を愛していてくれるという実感だ。 

今は西暦2030年。20年前とは働き方の概念が、すっかり変わりました。 

ワタシは今、なんとか破綻しなかった年金を少しだけもらいながら、NPO(非営利組織)の仕事をしています。 
また、副業的に、昔の仕事の手伝いをしたり、関連する仕事のアイデア出しの仕事を請け負ったりしています。 
NPOの人材バンクから、時々、地元のNPOでのヘルプも頼まれています。 
趣味でちょっとしたイベントの運営もしています。 
そのほか、子供たちへの絵本の読み聞かせや、臨海学校の手伝いをしたりもしています。 

有給の仕事もあれば、無給の仕事もあります。年金の補完に必要なだけ有給の仕事を入れ、あとは面白そうな仕事にノミネートしているのです。 


◇始めることを支援する 
これはなにもワタシだけのことではなく、社会全体が複線化・複眼化しています。何かを始めることが、そんなに大したことではなく、普通にあることになってきたからです。 
そしてそうした始めることを支援する社会システムが整備されてきました。 

1人の人が何か1つだけ専門を持つ時代は終わりました。 
専門は横に広がり、他の人の専門と共鳴し合ってさらにレベルアップし、興味の対象が広がるごとにプロとしての深みが増していく・・・。 

そういう形で、社会全体で人的資本の蓄積が進み、補完効果が極大化する。そういう経済体質が、一時停滞していたこの国を再起動させたのだ、とワタシは考えています。 


◇子供を育てやすい仕組み作り 
朝起きると、またグリーンランドで氷床が崩壊しているニュースが流れていました。 
国内ニュースは、今年やっと解消が期待されている財政赤字についてと、海面上昇に伴う退避エリアでの家屋の解体と再資源化の話題です。また、天気予報では久しぶりの冷夏が懸念されていました。 

亜熱帯である東京の風土によく似合うかりゆしウェアに着替え、北海道ブランド米のご飯と、デザートに静岡産のパパイアを食べて、さあ、お出かけです。 
今日は少し遠くの職場で、子供に絵本の読み聞かせ。 

孫の世代は、子の世代よりかなり人数が多いです。 
そこで、現役世代では教育スタッフが足りず、ワタシやその他、いろいろな仕事を経験してきた老年世代が、代用教員の仕事をすることが多くなりました。 

日本の総人口は1億人を割っています。 
ふた昔前は、人口8000万人の時代が来るとか、エネルギー危機で食料生産が滞ってもっと急激な人口減少が起こるとか、さんざん怖い話を聞かされたものです。 

でも実際は、途中で人口の減少は止まりました。40年から20年くらい前までは、それ以前の時代に比べた合計特殊出生率の大幅な低下から、国家が崩壊するのではないかという危機感を抱く人が多くいました。 

でも、今ではそれ以前の時代の方が特殊だったのではないかと考えられています。 
なぜなら、明治維新の前後の日本の人口は3000万人台、第2次世界大戦が終わった頃で8000万人台。 
それが、その後の50年で5割増えて1億3000万人になったのです。医療技術が高度化し、食料生産も石油文明化で高効率化したため、急に人口が増えたのです。 

今では、その揺り戻しで人口を安定化させる力が働き、その力が短期的にやや過剰に働いたのが、人口が減少に転じた原因と推測されています。 

またその後、政治的にも、家庭が子供を育てにくくなった環境を改善する動きが出てきました。 
例えば地域のNPO法人が行う学童養育支援プログラム、高等教育に対する学費融資制度の創設、高等教育を受けずとも最初の就職後に各種技能教育を受ける場合の税控除制度など。 

実験的に導入された子ども手当制度が破綻したあと、代替的にいくつもの政策提言が切磋琢磨し、結果としていくつかの良いシステムが生き残ったのです。 

これら制度の支援を受けて、若い世代の子育てが格段に楽になりました。それが、人口の減少に歯止めがかかった要因と思われます。とはいえ、再度人口が増加に向かうほどではなく、日本の人口は当面、横ばいが予測されています。 


◇行政首都と経済首都 
さて、麦わら帽をかぶって出発です。ワタシは先年、皮膚癌で片足を大きく切除しました。 
しかし、歩行補助ロボットを装着して凌いでいる間に、生体組織再生保険機構が、切除した部分の筋肉や皮膚組織を届けてくれ、これを埋め戻して完治しました。 

恥をさらすようですが、若い頃の暴飲暴食の結果、衰弱してしまった肝臓と腎臓も生体組織再生保険機構のお世話になったのです。おかげで今は全く健康体です。自転車で15キロメートルくらいの道のりなど、楽勝です。 

今日は天気がいいので、動力補助付き自転車で出かけます。武蔵野台地の市街地は、海から林を抜けてくる風が気持ちいいです。 

人口減少と温暖化に伴う海進で、関東エリアの都市計画は大幅に変更されました。行政上の首都は長野県に移転してしまったので、今の東京は経済首都と呼ばれています。

経済活動に対する規制は、20年前とは様変わりに簡略化したので、役所の近所に本社を置く必要はなくなりました。 
また、日本企業の売り上げの8割以上は海外需要ですし、各国の制度もまちまちですから、あまり日本の規制を気にする企業がなくなりました。 
このため、首都が長野県に移転しても本社を長野県に移す企業はそれほどありませんでした。 

むしろ最近は、急速に経済力が向上している九州や温帯になって過ごしやすくなった北海道に本社を移転する例が多いようです。 

そして、東京は明治時代の再開発に匹敵する大改造を受けて、杜の都に変わりました。 
樹が育つには長い時間がかかりますので、まだ変わり始めたばかりですが、将来像は見えてきています。 

多くの幹線道路は拡幅され、住宅地の建ぺい率は大幅に引き下げられました。街路樹が、まるで林のように拡張され、里山のようになっています。あと数十年すれば、東京中が明治神宮の森のようになるでしょう。 

また、幹線道路は地中と地上に機能分化され、物流は地中、人の移動は地上と棲み分けています。 
地上はすべてインテリジェント道路になり、電気自動車しか走っていません。また近場であれば動力補助付きの自転車やパーソナル・ビークルが使われています。後者は目的地を言えば、勝手に人を目的地に届けてくれる自動運行ユニットです。個人端末で呼び出して乗ります。使用料は後で個人口座に請求がきます。 

これが普及したおかげで、東京エリアには電車もタクシーもなくなりました。商店街も、交通渋滞とか、轢かれるリスクとかがほぼなくなり、子供が遊んでいても安心になりました。自転車事故は少しありますが、昔のような深刻な交通事故はほとんどありません。 


◇緑化が進んだ街並み 
いよいよ、読み聞かせを行う公民館に着きました。この建物は少し古いですが、今の規制に合わせた改装をしています。 

1つは屋上緑化。もう1つは高断熱化です。 

20年ほど前に、建築規制が大幅に見直され、基本的に住宅地の建物は、周囲に緑地を作ること、躯体は300年以上の理論寿命を持つこと、屋上は緑化するか太陽光発電機能を持たせること、関東であれば家事で発生する熱で暖房が賄える無暖房住宅であることなどが求められました。 

建築業界には一時、パニックが起こり、政治問題に発展しました。改めて振り返ってみると、なんの騒動だったのか・・・。 
各地で再開発されたいわゆるコンパクト・シティの住み心地、資産価値が納得できるものであったことから、世論が賛成に回り、全国に普及してきています。 

この公民館も、まるで林の中にあるようなたたずまいです。東京中が、森の中にあるようです。 

昔は問題になっていたヒートアイランド現象は、温暖化の進んだ今、逆に起こらなくなりました。夏場など、今の方が却って涼しく、住みやすくなった印象です。 

公民館では偶然、昔の仕事仲間に会いました。南洋の浮体植物工場プロジェクトをファンド化したときの仲間です。今では、海没してしまったリーフに代わって、浮体工場が南洋諸国の国土とみなされています。また、かなりの数の環境難民を日本が引き受けたので、その方々の居住区も日本の各地にあります。 

仲間と、環境難民を引き受けた当時、文化的摩擦を軽減するために開催した、南洋音楽フェスの思い出話で盛り上がりました。 

そこで予定を変更して、絵本の読み聞かせではなく、そのころの思い出話を子供たちにしました。今につながる話でもあり、興味深く聞いてもらえたようです。 

南洋の浮体植物工場プラントの近くや日本近海には、太陽光を水素に転換するプラントもいくつかあります。また、植物工場は、野菜などのほか、スピルリナやユーグレナなどの食用微生物の生産プラントも多く、これが世界の食料危機を救ったのです。 

エネルギーは、最近、日本が主導した形式による核融合炉が実用化されたため、社会インフラは急速に電化に再統一されつつあります。ただ、一部に過渡的に導入された水素社会の名残りもあり、用途の別もあって、水素インフラもかなり稼働しています。 

二酸化炭素を炭化水素に直接戻すプラントもあります。かつての石油製品の代替として普及したバイオプラスチックとの競合が始まっているようです。 

さて核融合炉は、海水中の重水素を核融合させてヘリウムを得る方法で稼働しますから、島国である日本は、ほぼ無尽蔵の電力を得ることができることになりました。 
既に太陽光発電ユニットを屋上配置する規制は廃止が検討されています。それよりは、緑化に注力しようということです。 

世界中で行っている植林プロジェクトの関係、後述する法人税減免政策、それと勝海舟プロジェクトと呼ばれる大規模な相互留学制度の影響で、日本には世界中から人がやってくるようになりました。 

このため、日本は文化のLUCK-ICHI(ラクイチ=楽市)と呼ばれる国に変わりました。 


◇国際平和への貢献も 
また、最近の日本は、PKO(国際連合平和維持活動)の祖国と呼ばれています。沖縄県の米軍跡地の一部に作られたPKO部隊の訓練基地には、世界各国の治安維持軍が集まっています。装備品や部隊運用方法の統一と情報システムなどの供与に、日本は多額の負担をしています。 

沿岸警備の演習基地も併設されており、専用の訓練船を供与しました。海上自衛隊や海上保安庁のスタッフが高度な技術指導をしています。沖縄周辺、特に東シナ海は潜水艦追尾訓練や、多島海に潜伏する海賊の哨戒訓練などに適していると好評です。 

沖縄県の基地負担を軽減するために、米軍のかなりの部分が九州に移転しました。当時、国内では国論を二分する大規模な政治闘争が起こりましたが、日米同盟の重要性と沖縄の負担に鑑みて、結局は九州地区が負担をすることになったのです。 

その代わりといってはなんですが、佐賀空港は大規模な軍民併用空港に再整備され、アジアのハブ空港としての地位を固めつつあります。リニアモーターカーと新幹線の佐賀空港までの延伸、九州全域の経済特区、関税特区化、海外売上高比率を基準とした法人税の減免措置など、付随する様々な振興策が導入されました。 

法人税の減免措置は海外の有力法人の日本誘致を目指して導入されました。当初、招聘できるのはペーパーカンパニーだけではないかと揶揄されました。 
しかしながら、日本社会の安全性や社会インフラの整備状況というメリットを享受したくて、実際には世界の富裕層や有力企業の本社社員一家が転居してきました。その結果、そのトリクルダウン効果も相当大きいことが分かってきました。 

これらの施策によって、九州はアジア地域の主要企業が本社を連ねる、高度成長地域になりました。 


◇自然豊かな「田舎」住まいが流行 
日本全体の国土計画も、急ピッチで再構成が進んでいます。多くは、気候変動への適応が目的ですが、その機会に、基本構造の抜本的な見直しがなされ、また老朽化した社会インフラも更新されました。 

東京が杜の街に変わりつつあることは、先ほどお伝えしました。札幌市から佐賀空港まではリニアモーターカーでつながれ、東京、新首都の中京(昔の飯田市周辺)、京都、博多と全体を4時間程度で結んでいます。 

これらのハブ駅から各地の主要都市までは、新幹線やその他の高速公共交通網が整備され、地域は自家用車からパーソナル・ビークルに置き換わりつつあります。 
これらの結果、日本中どこからどこへでも、概ね日帰りできるようになりました。これは、どこに住むかということに対して、日本人の基本的な考え方を変えてしまいました。離島にも、旅客仕様の飛行艇や飛行船、STOL(短距離離着陸)機などが就航して、全国的に僻地が消滅したからです。 
積極的に自然豊かな「田舎」に住むことが最近の流行です。実際、何も不便はありませんし。 

豊富な電力を基盤に、植物工場が各地に整備され、また無農薬栽培の地物の栽培も技術革新が進んで、農業は日本の基幹産業の1つになりました。おいしい食べ物が、地産地消を原則として豊富に提供されるようになったのです。海産物も、抗生物質をほとんど使わない養殖技術が確立し、世界中の海洋を搾取する構造がなくなりました。 

日本は、金額ベースと資本ベースの2つの尺度では10年前から食糧の実質輸出国でしたが、今年は国内で生産した農作物のカロリーベースでも、自給率100%を達成しました。10年程度先にはこれが150%程度になるのではないかと考えられています。 


◇ネガティブな要素は星の数ほどあれど・・・ 
日本社会は、この20年間、不断の自己改革を遂げてきました。 
その結果として得られたものが、今の社会モデルです。社会教育システムの見直しが成功の要因だったとか、合意が得やすい緊密な民族意識が成功の要因だったとか、海外の研究者はいろいろなことを言います。 
しかし、20年前、これらの源流となる改革がなされた頃は、そんなことは全く指摘されていませんでした。 

今でも思い出すのは、あの当時の政治の混迷、2008年頃から2012年くらいまで続いた、日本政治の過渡期です。 

当時、この国を諦めるのは簡単なことでした。今から思うと不思議かもしれませんが、だって、ネガティブな要素は星の数ほどありましたから。右を見ても左を向いても、いかに日本がダメかという議論ばかり。 

でも、ちょうどその頃、いろいろな所から、新しい春の芽吹きが起こり始めていました。 

不人気を承知で、国家にたかるな、日々の仕事に帰れと主張する政治家。 
社会の無気力に対しそれにもかかわらず!と健筆を執ったジャーナリスト。 
社会を救う仕事を作り出していった起業家たち。 

日本は民主国家。職業として政治を行うのは政治家であるけれど、それを支え、監視し、また批判して、政治を良い方向に持っていくのは、ワタシたちの国民なのです。 
結果としてできあがった今の社会や繁栄より、このことのほうが大事。 


◇諦めたら、怖れたら、何も始まらない 
ワタシは、20年の時を越えて、「あの頃」を思い出すのです。 
人々が政治を諦めず、今につながる道を切り開いていったあの頃。 
人々が理想を諦めず、日本を越えて世界を救おうとしたあの頃。 
人々が議論を怖れず、自分が素敵に生きるにはどうすればよいのかを考えたあの頃。 

どの街角にもいるワタシが、この国の主人公なのだから。 



(幸福達成計画「やちよ文明構想」より) 
 市井の一市民による21世紀における日本の歴史的使命を再定義する作業を通じて、 
 日本経済を持続可能にするための具体的な政策提言、および人間社会の評価軸として、 
 自分、家族、地域、国家、世界全体という同心円の中で、すべて無矛盾にその幸せを追求したい。 

◇企業の社会的責任とは、社会に対して悪しきことをしないことではない。 
 社会に対して良きことを為す、それが企業の本来の責任である。 

企業が存在し活動するのは、世の中を幸せにするため、良い世の中を創るためであり、我々が一生懸命に働くのは、職場の仲間を幸せにするため、お客さまを幸せにするためである。 

CSRを重視しない企業は生き残れない、CSRを大切にしないと投資家から見放されるなどと言われるが、企業が社会的責任を重視するのは、それをしなければ生き残れないからではない。 
社会的責任を全うすることが、その企業の理念であり、その企業で働く人々の喜びだからである。 


◇企業の社会貢献とは、利益の一部を社会貢献事業に使うことではない。 
 本業を通じての社会貢献、それこそが企業の社会的使命である。 

企業活動の目的は、ただ利益を得ることではない。 
それは、社会に貢献をすることであり、それゆえにこそ、社員が日々の仕事を通じて働く喜びや働き甲斐を感じることができるのである。 

企業は本業を通じて社会貢献をめざし、社員が働き甲斐を求めて働き、人間成長を遂げていく場を維持、発展させるために、利益を得て株主に報いなければならない。 
決して、利益を得て株主に報いるために、社員の働き甲斐を大切にし、社員の人間成長を支援するのではない。 


◇本業を通じての社会貢献を為すために、経営者は事業を通じて成し遂げようとしている社会貢献を、 明確なビジョンとして語らなければならない。 

企業が本業として営む事業を通じて、何を成し遂げようとしているか、いかなる方法で社会に貢献しようとしているか、明確なビジョンとして語らなければならない。 
それは、社内にビジョン策定委員会を設置してビジョンを策定させることではなく、社外コンサルタントに委託してビジョンを立案させることでもない。 


◇経営者は社会貢献のビジョンを実現するために、志と使命感を持って仕事に取り組む社員を育てなければ ならない。 

経営者が情熱を持ち、想いを込めて本業を通じた社会貢献のビジョンを語れば、ビジョンに共鳴し、志と使命感を持って仕事に取り組む社員が、自然に育っていく。 

経営者は、社員が単なる労働者ではなく、一人の職業人として腕を磨ける場を創らなければならない。 
社員が互いに腕を競い合い、技を教えあい、知を学びあう、プロフェッショナルの企業文化を創らなければならない。 

企業とは、縁あって集った人々が仕事を通じて互いに切磋琢磨し、職業人としての腕を磨き、人間としての成長を遂げていく場である。 


◇経営者は、社会に貢献する社員を育てるために、目に見える報酬だけでなく、目に見えない報酬を大切に する企業文化を創らなければならない。 

・働き甲斐のある仕事 
 昔から、プロフェッショナルの世界では仕事の報酬は仕事だとの言葉があるが、仕事に働き甲斐を感じられることは、素晴らしい報酬に他ならない。 

・職業人としての能力 
 仕事を通じて、プロフェッショナルとしての能力を磨けることは、素晴らしい報酬である。 
 自分の中に眠っていた可能性が、大きく開かれていくことの喜びでもある。 
 そして、同時に、仕事の能力を磨くことによって、傍が楽になることを実感できるようになり、 働き甲斐という報酬へと結びついていく。 

・人間としての成長 
 仕事に一生懸命に取り組み、職場の仲間や社外の人々と様々な協働作業に取り組んでいく。 
 互いに共感し、ときに気持ちが離れ、それでも良き仕事を成し遂げようと、悪戦苦闘しながら歩み、気がつけば、その切磋琢磨を通じて、互いが一人の人間として成長している。 
 人間としての成長は、職業人としての現役を終えても、決して失われることのない報酬であり、それは、仕事の最高の報酬とさえ言える。 


◇志と使命感を持って仕事に取り組む社員を育て、有為の人材を社会に送り出していくこと、 
 それは、これからの企業にとって究極の社会貢献である。 

自社で育った人材が、他の企業、他の業界に移って活躍することが、当たり前のように起こる時代になる。 
そのことを、経営者は、せっかく育てた人材が流出したと嘆くのではなく、新しい時代の新しい形の社会貢献と認識すべきである。 
人材とは、社内の資源ではなく社会の資産であり、人材育成こそ、企業の究極の社会貢献である。 

これからの時代は様々な異業種企業が業種の垣根を超えて集まり、さらには様々な社会的階層が集まって、素晴らしい仕事を成し遂げる時代、そうした時代に、企業を卒業した人材が、他の企業、他の業界、他の 
社会的階層で活躍しているということは、企業にとってかけがいのない貴重なネットワーク資産である。 


     (日本型CSRの思想より抽出  田坂広志/多摩大学大学院教授) 

冬の季節、木々は新たな芽を育て、冬が過ぎたとき、その芽は大きく開花する。 まさに、いま、何を準備するかが問われている。 


大量の広告と巧みな宣伝によって購買意欲を掻き立て、使えるものさえ捨てさせ、無理に自社の商品を購入させようとする企業中心の発想、財務諸表の目に見える数字に目を奪われた短期思考の取り組みから、社員の目の輝き、働きがい、職場の空気、社員の和、企業の文化、お客様との共感、社会からの信頼、世間の評判といった目に見えない価値を重視した経営への転換が求められている。 

「企業は本業を通じて社会に貢献する。利益とは社会に貢献したことの証である。企業が多くの利益を得たということは、その利益を使ってさらなる社会貢献をせよとの、世の声である。」 

企業活動の究極の目的は、社会貢献である。そして、利益とはその社会貢献を実現するための手段である。 

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◇複雑系経済 (IT化による相互連関性の高度化) 
  企業の存在意義、CSRを体現するための目に見えない資本である倫理、行動規範の確立 
  など、生命的システムとしての自己規律の内在化 
◇知識経済 (目に見えない知識資本のマネジメント) 
  知識社会の成熟につれて知識資本、関係資本、信頼資本、文化資本が重要になり、 
  社会資本と融合し、企業の最強資本になる 
◇融合経済 (善意、好意など社会を支える陰の主役と融合) 
  CSRは営利企業の社会的責任を追及する取り組みであり、マネタリー経済がボランタリー 
  経済と融合した資本主義の土台の経済原理 
◇直接参加経済 (経済における直接民主主義) 
  企業によるニーズの最大公約数に対応した商品やサービスの開発、販売から企業と 
  消費者が協働して商品、サービスの心地よさ(経験価値)を開発する 
◇地球環境有限経済 (無限の経済から有限の経済へ) 
  経営者はどこまでも増収増益を求め、国家はどこまでもGDP増大を求めることから、 
  社会の安定、人の幸せを追及する企業の存在意義の再確認
 

経済成長の目指すところは、豊かな国民生活の実現であり、 
精神的な豊かさは、現状への評価と将来への期待によって構成される。 

また、社会の長寿化に伴い健康で活力あふれるシニアが増えており、 
その表現力(体力>理解力>対応力>関係力>包容力)を活かした社会参加の機会を拡大する 
ことが求められている。 

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日本経済の最大の課題である需要不足は、少子高齢化や経済の成熟化に伴う需要の 
多様化への対応が十分ではなく、潜在需要を顕在化しきれていないことに原因がある。 

そこで、シニア世代が人生をよりよく活きるために、一人ひとりがみずからの存在の 
表現力(体力>理解力>対応力>関係力>包容力)を活かしきって、世の中の困っている人の 
お役に立つ取り組みを活性化したい。 

そのために、人とひとが集いつながり、一人ひとりが輝き、活きる場としてのすてきな 
笑顔を咲かせるプラットフォームの整備に取り組み、世の中を、もっと元気に、もっと 
幸せに、もっとすてきな笑顔を咲かせ、溢れさせたいと想う。 


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<モチベーション1.0> 生物的な動機 ― サバイバル (1945年~1990年代) 
  ものを食べる、生殖活動を行う、睡眠をとる、など生物が生存を維持するために必要な根源的な欲求。 
  石器時代から人間が持ち続けている基本的なOS。  
   ・終身雇用 
   ・滅私奉公 
   ・モーレツ社員 


<モチベーション2.0> 与えられた動機 ― 成果主義 (1989年~2008年) 
  外から与えられた目標を達成することで、金銭や名誉の獲得を目指す欲求。 
  金銭による成果主義など、信賞必罰に基づく手法が動機づけに用いられる。 
   ・実績主義 
   ・信賞必罰 
   ・コミットメント 


<モチベーション3.0> 自発的動機 ― ワクワク感 (2010年~) 
  人間としての成長、知的興奮、社会への貢献など、単なる金銭欲を超えた動機。 
  外部から与えられるのではなく、自分の内面から湧き出る自発的な欲求。 
   ・互いに成長できる環境 
   ・誇りを持てる企業文化 
   ・自立性 
   ・専門性 
   ・ワクワク感 


    「Drive: The Surprising Truth About What Motivates Us 」 ダニエル・ピンク著 

市場では、低価格競争が激化している中で、多くのサービスや商品が同質化し、より価格の安いものが選択されると言うコモディティ化に拍車がかかっている。 

一方、お客様は、基本的な便益が満たされている中で、感動、心地良さ、独特な雰囲気など、商品の機能性や利便性を 超えたより高い次元の価値の創造を求めてきている。

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