人生という名の遊び場で、いま、ここを活かされ、すてきに活きる

時代の本質をとらえた、心に残るすてきなメッセージ[構想、視点、こころ]と、新たな気付きをあなたに届けます。みずみずしく、活き活きとした、すてきな旬(ときめき)を一緒に探しにいきましょう。      ◆◇たきがみ博士が選ぶ”すてきなメッセージ”のおすそわけ◇◆

2016/03

「米国は貧しいんだ!」 じわじわ来るドナルド・トランプの話術

 ドナルド・トランプは、徒手空拳のビジネスマンではなく、不動産投資会社をやっていたお父さんのビジネスの後を継ぐというカタチでビジネスの世界に入りました。つまりボンボンです。
ペンシルバニア大学ウォートン・スクールのMBAだから、馬鹿じゃありません。ウォートンの全ての卒業生がそうであるように、数字には強いし、財務分析は得意です。

もともとトランプのお父さんは、低所得者住宅とか、そういう地味な案件を専門に扱う大家さんでした。でもドナルドは、もっと華やかにやりたい……それでホテルへの投資へと会社を方向転換するわけです。

よく不動産投資では「Location, location, location!」と言われます。つまりロケーションが全てなのです。

トランプはニューヨークでいちばん良いロケーションは何処か? ということを研究します。そこでニューヨークから郊外へ向かう通勤電車が集結する、ターミナル駅であるグランド・セントラル駅周辺に目をつけます。

グランド・セントラル駅に隣接する格好で、42丁目に面した、最高のロケーションにある、老朽化したアパートビルをドナルド・トランプは買います。

本来であれば、そこは一等地なので醜いボロ・ビルは取り壊し、新しい高層ビルを建てるのが正攻法でしょう。

でもトランプには、そんなカネは無かった。

それでトランプはビルの外側をすっぽり包むように黄金色に輝くガラスを張り巡らし、まるで新しいビルがオープンしたようにして、そこを『グランド・ハイアット』と呼びます。もちろん、ロビーなどは多少のお化粧直しはしたけれど、中身は昔のままです。

だからグランド・ハイアットの部屋の中から外を見ると、窓枠の位置が合ってないんです(笑) チョーでたらめ。

くたびれたボロ・アパートが一夜にしてピカピカのオシャレなホテルになったので、急にグランド・ハイアットは大盛況になります。

42丁目にせり出した、温室のようなガラス張りのカフェは、デートコースになります。

兎に角、当時、42丁目は赤線地帯みたいなガラの悪い処に成り下がっていたので、カノジョとオサレにお茶できるようなところは、そこしか無かった……。

おまけにグランド・セントラルのすぐ北側には、旧パンナム・ビル(現在はメトロポリタン・ライフ・ビル)など、オフィス街がパーク・アベニューに広がっており、三井物産をはじめ日本の商社も多く、この界隈は「商社村」と呼ばれていたのです。

そのようなオフィス街に働くサラリーマンが、グランド・セントラル駅からメトロ・ノースと呼ばれる、西武池袋線みたいな電車に乗って帰宅する前に、ちょっとオフィスの秘書と不倫するとき「イッパツやれる」オサレな連れ込みホテル……それがニューヨーカーのグランド・ハイアットの「正しい利用の仕方」だったわけです。
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現在の世の中が「等価交換」なるもので成立しているとすれば、自然界は「循環」で成立していると思う。昔、何かで『等価交換は関係の清算で、贈与交換は関係の継続』という言葉を見た。これをしてもらう代わりに、私はこれをしました(たとえばお金を払いました)というやり取りは、両者の関係性を清算する。要するに、等価交換では『貸しをつくらない』ことが大事になる。しかし、等価交換社会には『循環が起こらない』ことと『持たないひとは参加できない』欠点があると私は思っている。

別に難しい話をしたい訳ではなく、単純に、誰かから何かをもらうととてもうれしい。きゃー!ありがとう!という気持ちになり、同じように自分も誰かに何かをプレゼントしたい気持ちになる。そして、実際に誰かに何かをプレゼントしてよろこんでもらえた時に、ああ、なんともいえないうれしい気持ちになる。この時のよろこびを「俺はこれだけしたのだから、俺にも何かしらの形で返還せよ」と求めることが等価交換ならば、「もしも気に入ってくれたら、俺には返さなくていいから他の誰かに何かをしてあげてよ」的な態度が贈与交換【循環】になる。


名古屋駅近くのコメダ珈琲で初対面の方々三人と一緒にお茶をしていたら、突然、25歳の女性がやってきて「わたり文庫の本を持ってきました!そして、この封筒にはいっているお金は、私が私の名前ではじめて稼いだお金です。新しい場所に届けばいいなと思ったので、坂爪さんにまわしてもらいたいと思って持ってきました!」と、現金三万円をくれた。

要件だけ伝えると、女性は「用事があるので、では!」と、足早にその場を立ち去った。なんということだろう、まるで春の到来を告げる風のような、粋な女性である。『新しい場所に届けばいい』という彼女の願いに応えるべく、私は、一緒に珈琲を飲んでいた三人の方々に一万円ずつ「はい!(一蓮托生!)】」と手渡した。循環系アイドルでお馴染み、坂爪圭吾の必殺技は【キャッチ&サーキュレーション】である。

私は「このお金はどのような形で使ってもいいし、気が向いたら、一万円札をそのまま次のひとにひたすらまわし続けていくのも面白いと思います。一万円をもらった相手は、多分、すごいびっくりすると思うし、お金を(何かに交換するのではなく)お金のままでまわしていくことの中にも、多分、新しい感覚の面白さはあるような気がする」ということを言いながら、目の前の三人に委ねた。お金は、多分、うれしいものだ。もらってうれしい、あげてうれしい【これ重要!】、これがお金(というか基本的なモノゴト全般)の魅力である。

*坂爪圭吾

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