人生という名の遊び場で、いま、ここを活かされ、すてきに活きる

時代の本質をとらえた、心に残るすてきなメッセージ[構想、視点、こころ]と、新たな気付きをあなたに届けます。みずみずしく、活き活きとした、すてきな旬(ときめき)を一緒に探しにいきましょう。      ◆◇たきがみ博士が選ぶ”すてきなメッセージ”のおすそわけ◇◆

2017/01

◇成長の時代はなぜ終わったのか

 世界的にポピュリズムの嵐が吹き荒れるのは、グローバリゼーションの反動だけでなく、長期停滞の帰結である、というのが筆者の仮説だ。成長率が鈍化し、その果実の政治的分配が難しくなったことに加えて、高い成長の時代に構築した社会保障制度の費用を賄うこともままならなくなっている。

責任ある政治家なら、増税や歳出削減、あるいは社会保険料の引き上げや給付削減を主張するが、それでは支持率は悪化する。そこを突いたのがポピュリスト政治家だ。痛みを伴う政策はそもそも不要で、高い成長によって、多くの問題は解決できると主張し、有権者から高い支持を獲得する。現代のポピュリストは、バラマキ財政で景気と株価をかさ上げし、人々の目をくらませる。

これが筆者の基本シナリオだが、年末年始の休暇で改めて考えたのは、19世紀初頭に始まった200年近くに及ぶ「成長の時代」はなぜ終わってしまったのか、元に戻すことはできないのか、ということである。

ドナルド・トランプ氏がポピュリストであることは間違いないが、ワシントン政治に染まっていない型破りな新大統領の誕生がダイナミズムを生み出す可能性はないのだろうか。あるいは、民間部門への個別介入を進め、事態をさらに悪化させるのだろうか。

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偶然でも必然でもない世界を生きるということ、動き続けることの大事さ

 
有機的なシステムとしての生命の特徴とは「外部からエネルギーを取り入れて代謝を繰り返すこと」です。生命にとって「止まる」ということは「死」に近づくことであり、「生きる」とは「動き続けること」と同義です。

自分で振り返ってみると、動き回っているときはたいてい精神的にも充実しています。「本当にうまくいくのか?」なんて色々と考え混んで立ち止まっているときは、精神的にも停滞していることがほとんどです。

そして、人間の行動の原動力となるものは欲望や情熱です。精神的な熱量が行動につながり、行動によって外部から刺激やエネルギーをもらい、それが更なる行動につながっていきます。複雑な世界の構造をドライに観察していった結果が、「情熱を持って動き続けること」という単純かつウェットで人間的な考え方を肯定してくれることには驚きました。

Appleの創業者スティーブ・ジョブズの生前のスピーチ動画を見た人は多いと思いますが、彼のスピーチは非常にわかりやすい言葉で人生の本質を突いていました。

You’ve got to find what you love. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven’t found it yet, keep looking, and don’t settle.
たまらなく好きなことを見つけなさい。偉大な仕事をする唯一の方法は自分がしていることをたまらなく好きになることです。まだ見つけていないなら探し続けなさい。妥協してはいけません。
 
And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.
最も重要なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。心と直感は本当になりたい自分をどういうわけか既に知っています。その他のことは二の次です。
 
Stay Hungry. Stay Foolish. And I have always wished that for myself.
ハングリーであり続けなさい。愚かであり続けなさい。私は常にそうありたいと願ってきました。
 
スピーチを要約すると「情熱を傾けられることを必死に探して、勇気を持って自分の直感に従い、ハングリーに挑戦し続けること」です。

私が長々と書いたことを、これほど短い言葉で簡潔に表現していて、彼の凄さを改めて思い知りました。同時に、彼の話に多くの人が心を打たれたのは、これが人間にとって本質であることを私たちが「本能」として知っているからなのでは?とも感じました。

世界の構造を探求することは、資本主義経済といった世知辛いテーマから、自然や生命といった話、人生の本質のような哲学的なテーマまで広い領域に多くの示唆を与えてくれました。


大転換に備えよ  自由の気風・気概を羅針盤に

 英国の欧州連合(EU)離脱、トランプ氏の米大統領選勝利など、2016年は国際政治と経済の基本枠組みに大きな修正をもたらす出来事や変動が相次いで起きた。これらのショックを受けて、17年は新たな枠組みへの模索と調整の年とならざるを得ない。今後の変化の方向性について貿易と直接投資、競争による格差と再分配、言論の自由と進歩という視点から、筆者の大まかな見通しを述べたい。

まずトランプ氏が環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を明言したことで、アジア・太平洋の貿易体制に緩慢な変化が進行するはずだ。アジア諸国はTPPの枠組みから東アジア地域包括的経済連携(RCEP)へとシフトする可能性が高まる。米国のアジア市場離れが進み、アジアにおける政治的影響力も低下するだろう。RCEPがその輪郭を濃くするなか、メンバー中最大の経済大国、中国の発言力がますます強くなることは避けられない。

 ただ、その動きが急激かつ不可逆的に進行することはなかろう。直接投資の増大が自由貿易協定(FTA)を実質的に圧倒するほどの力を持つからだ。TPPや多くのFTAは貿易の量と方向に影響を与えるが、直接投資の影響はこれを超えるほど大きくなる。

 生産拠点が国際化すると、為替レートが円安に振れても、日本の貿易収支は理論通りには好転しない。通商政策を決定する政治と海外進出を決める企業は、必ずしも同じ目標とルールの下で行動するとは限らない。国家は一枚岩ではないからだ。

 トランプ氏の保護主義志向は、短期的な国内の利益を狙ったものであり、相手を富ますことで自らも豊かになるという「啓発された自己利益」の知恵から出たものではない。保護主義は、関税を巡る国家間の報復措置の悪循環を生み、世界全体の貿易量を収縮させる。一方、国内産業の保護は、失業者を減らし格差を緩和させるようにみえるので国内での支持を得やすい。

 トランプ氏は自由貿易で多くの白人労働者層が仕事を失ったと主張し、貧困や低所得に悩む人々から多くの支持を得た。しかしおそらく、彼は政権に就くと高所得層への減税政策を推し進め、彼に投票した白人労働者層を「裏切る」挙に出るのではなかろうか。そうした一貫性のなさは国内の社会的分断を深め、内政を不安定化させる要因となる。

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