食養生とは、文字通り ”食で命を養う“ということ。
私たちの身体は食べ物から摂る栄養素でつくられているため、食を整えることが健康を保つ一番の基本となります。

旬の食材を上手に取り入れることもポイントです。
自然の恵みとはよくできたもので、夏には身体を冷やす食材が、冬には身体を温める食材が多くなり、それぞれ季節に合った働きで自然と身体を整えてくれます。

食養生とは何をどのように食するのが健康維持のために良いのかという、多くの先人たちから踏襲されている英知のことです。
つまり、食べ物について学ぶだけでは成り立ちません。自分を知り、自然と調和し、身体に摂り入れる食物について知ることなのです。

1.薬食同源
中医学では、薬と食物とは一体のものという解釈があります。
古代からの長い生活の中で、味覚的に食べやすいものを日常的な食物としてとらえ、身体に変化をきたす偏性の大きいものを薬物として利用するようになったと考えられます。

2.一物全体
近代栄養学と大きく異なる点で、食物を全体としてとらえる考え方です。
食物を全体としてとらえ、その効用を健康維持に役立てます。
魚も、頭から内臓、尾まで全体が生きていると考え、その全てを摂取します。
野菜や食肉も同様の考え方をします。

3.天一合一思想
人間は、地上に存在する他の動物や植物と同じように、自然界の構成要因の一つであり、自然の大きな循環の中で生かされている、とする考え方です。


150428よく活き、よく老い、よく死ぬ





【理想的な食事】

ご飯とみそ汁、野菜の煮物、小魚、海藻など、野菜中心の和食がおすすめです。

一番大切なのは、楽しく食べること、感謝して食べることです。

いくら体に良いものを召し上がっても、強制されて美味しくないと思って召し上がると毒になってしまいます。
家族のことを思ってお母さんが作ったご飯とみそ汁、温かい家庭が一番体に良いのです。


小豆入り玄米ご飯

<材料>
・玄米  3合
・小豆  1/4合
・天然海塩  小さじ1

<炊き方>
玄米と小豆を水洗いし、炊飯器に入れ、塩を加える。
3.5合の玄米の水加減で、玄米モードで炊飯する。

・天然海塩を入れる理由
玄米は毒素の排泄作用がありますが、体に必要なミネラルまで出て行ってしまうため、
日本産の天然海塩を入れます。
 
伯方の塩や赤穂の塩は、海外産であまりミネラルが含まれていないため注意が必要です。
また、日本産であっても、イオン交換膜と書いてあるものはミネラルが少ないです。
ポイントは、製造方法の工程が「天日・平釜」と記載されていることです。

・小豆を入れる理由
小豆を入れると玄米独特のぬか臭さがなくなり、食べやすくなります。


アルツハイマー発症リスク下げる「MIND食」


米ラッシュ大学医療センター(シカゴ)の研究チームによると、同チームが開発した野菜中心の食事療法を実践することでアルツハイマー病の発症リスクが低下する可能性があることが分かった。

マーサ・クレア・モリス博士ら研究者はMINDと呼ばれる食事療法を2年かけて開発。これを別の2つの食事療法と比較したところ、MIND食にアルツハイマー病の発症リスクを引き下げる効果があるとみられることが分かった。研究結果は医学雑誌「アルツハイマーズ・アンド・ディメンシア」に掲載された。

 比較対象となったのは心臓病に良いとされる人気の地中海式食事療法と、高血圧を抑制するためのDASHという食事療法。MIND食はこの2つの食事療法から多くの要素を取り入れており、野菜中心で高脂肪食品は少ないという点では3つとも同じだが、MIND食は緑色の葉物野菜やベリー類など「脳の健康に良い」とされる食品の摂取を特に重視している。

 研究では、3つのうちどれか1つの食事療法を厳格に実践した場合、アルツハイマー病の発症リスクは低下した。しかし、MIND食だけは部分的に実践しただけでも発症リスクが低下した可能性がある。

 研究は観察に基づいたもので、ランダム化比較試験は行われていない。そのため、研究結果はMIND食がアルツハイマー病の発症リスクを抑えた証拠にはならないが、アルツハイマー症の発症リスク低下とMIND食に関連があることを示している。

 専門家によると、遺伝的特徴だけでなく、生活習慣に関わる要素がアルツハイマー病の発症に大きく影響していることが理解され始めており、発症の可能性を下げる食事療法の考案は研究者の願いだ。米アルツハイマー病協会によると、米国には現在、推定で510万人のアルツハイマー病患者がおり、2025年には710万人に増加すると予想されている。

 この研究の筆頭著者でラッシュ大学神経疫学教授のモリス博士はアルツハイマー病と食事の関連の研究が「心臓病や糖尿病、栄養と比べて比較的新しい分野」と述べた。「解明が進めば、最新の研究結果に基づいて(MIND)食事療法を修正することになる」

 MINDは「神経変性を遅らせるための地中海式食事療法とDASH食事療法による介入」を、DASHは「高血圧を防ぐための食事によるアプローチ」をそれぞれ意味する英語の頭文字。

 MIND食では1日に少なくとも全粒の穀物3回とサラダ1回、さらにもう1種類以上の野菜を摂取する。ワインは1日グラス1杯。ナッツはほぼ毎日、豆類は1日おき程度に食べる。鶏肉とベリー類は少なくとも1週間に2回、魚は少なくとも1週間に1度摂取する。研究によると、アルツハイマーの発症リスクを抑えるには、指定された不健康な食品の摂取を制限しなければならない。例えば、バターなら1日に大さじ1杯未満、チーズ、揚げ物、ファストフードの摂取量は3つのいずれかを週に1回未満としている。

 モリス博士によると、MIND食では、認知低下の遅延や認知症防止の効果が認められたブルーベリーなどのベリー類を1週間に少なくとも2回は摂取するよう勧めている。これまでの研究で、緑の葉物野菜には他の野菜以上に脳を保護する効果があることもわかっており、MIND食では1日に1回、緑の葉物野菜と1種類か2種類の別の野菜を摂取するよう推奨している。他にもナッツ類や豆類、全粒の穀物やオリーブオイル、それに1日にグラス1杯のワインの摂取を勧めている。

 研究には開始当時に認知症を患っていなかった923人が参加。年齢は58歳から98歳までで、中央値は81歳。平均で4年半の追跡調査を行い、144種類の食品の中から何をどの程度の頻度で摂取したかを1年に1回、回答してもらった。その結果、MIND食を厳格に実践した参加者のアルツハイマー病発症リスクは53%低下したことがわかった。地中海式食事療法の実践者のリスク低減率は54%、DASH食は39%だった。

 重要なのは、MIND食は部分的に実践した場合でもアルツハイマー病の発症リスクが35%下がったことだ。地中海式食事療法とDASH食は部分的に実践しても、発症リスクに影響はなかった。モリス博士は部分的に取り入れるほうが楽だと考える人が多いため、この点は特に励みになると述べた。

 MIND食に関する研究が発表されたのは初めてで、研究者は研究内容に今後、若干の追加があるとみている。モリス博士によると、研究が進めば、例えばココアやカフェインがMIND食に追加されるかもしれないという。


MIND食は緑色の葉物野菜やベリー類など「脳の健康に良い」とされる食品の摂取を特に重視している Harald Walker/Corbis
 研究では、認知低下との関連で緑の葉物野菜についても分析を行った。モリス博士によると、1日に1回から2回、緑の葉物野菜を摂取した参加者は摂取量が少なかった人と比べて、「認知低下の速度が劇的に低下」し、「年齢で言えば約11歳若かった」という。

 デューク大学医療センター(ノースカロライナ州ダーラム)の精神医学教授でアルツハイマー病専門家のムラリ・ドレイスワミー博士はMIND食について、認知症、脳卒中、心臓病のリスクを引き下げるという「3つの意味で思いがけない贈り物になるかもしれない」と述べた。ドレイスワミー氏は今回のMIND食の研究に関わっていない。博士はMIND食が認知症発症リスクを本当に抑えているか、運動や瞑想などライフスタイルへの介入と組み合わせた場合、プラスの効果があるかを確認するにはランダム化比較試験が必要と述べた。