哲人、中村天風師は
「良いも悪いも、心の想いが人生を創る」と言い「積極思考」を説いた。

積極思考とは、どんな時も颯爽溌剌として積極的な言葉、
人の気持ちを明るくするような言葉、勇気ある言葉、喜びを多く与える言葉を使うこと

“暑いなあ、やりきれないなあ”と思ったなら“暑いなあ”のあとに、もっと積極的なことをいったらよいではないか。

“暑いなあ、余計元気が出るなあ”、と

(ほんとうの心の力・中村天風)PHP研究所



自分の言葉は、自分が一番聞いている。

だからこそ、常に、積極的な言葉を多く使う習慣を身につけること。

事実は1つだが、物の見方や考え方はいくつもある。

常に物事を明るく積極的に見る人でありたい。


二宮尊徳翁が面白いたとえ話をしています。     (松下幸之助著『人生談義』より)

田舎(いなか)から二人の若者が花のお江戸に仕事を求めて出てきました。

江戸では街角で一杯の水を売っている人がいます。

二人はそれを見て驚きます。

しかし、その二人の驚き方が異なるのです。

一人の若者は、江戸では一杯の水も金を払わないと手に入らないのか、
このようなところではとうてい住みつづけることはできないと、気を落として田舎に帰ってしまう。

ところがもう一人の若者はこれはおもしろい、江戸では一杯の水を売ってさえ商売ができるのか。
知恵を働かせば、商売の道は無限だなと胸をおどらせて、江戸に残ることにしたというのです。

一杯の水を売っているという事実は一つですが、
その見方はいろいろあり、悲観的に見ますと心がしぼみ絶望へと通じてしまいます。

しかし、楽観的に見るなら、心が躍動しさまざまな知恵や才覚がわいてくるということを
尊徳翁はいいたかったのでしょう。


こうした物の見方・考え方は、困難や苦難にぶつかったときだけに必要なことではなく、
毎日をより心豊かに、積極的に過ごすためにも大切なことではないでしょうか。


*1分で感動から転載