偶然でも必然でもない世界を生きるということ、動き続けることの大事さ

 
有機的なシステムとしての生命の特徴とは「外部からエネルギーを取り入れて代謝を繰り返すこと」です。生命にとって「止まる」ということは「死」に近づくことであり、「生きる」とは「動き続けること」と同義です。

自分で振り返ってみると、動き回っているときはたいてい精神的にも充実しています。「本当にうまくいくのか?」なんて色々と考え混んで立ち止まっているときは、精神的にも停滞していることがほとんどです。

そして、人間の行動の原動力となるものは欲望や情熱です。精神的な熱量が行動につながり、行動によって外部から刺激やエネルギーをもらい、それが更なる行動につながっていきます。複雑な世界の構造をドライに観察していった結果が、「情熱を持って動き続けること」という単純かつウェットで人間的な考え方を肯定してくれることには驚きました。

Appleの創業者スティーブ・ジョブズの生前のスピーチ動画を見た人は多いと思いますが、彼のスピーチは非常にわかりやすい言葉で人生の本質を突いていました。

You’ve got to find what you love. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven’t found it yet, keep looking, and don’t settle.
たまらなく好きなことを見つけなさい。偉大な仕事をする唯一の方法は自分がしていることをたまらなく好きになることです。まだ見つけていないなら探し続けなさい。妥協してはいけません。
 
And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.
最も重要なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。心と直感は本当になりたい自分をどういうわけか既に知っています。その他のことは二の次です。
 
Stay Hungry. Stay Foolish. And I have always wished that for myself.
ハングリーであり続けなさい。愚かであり続けなさい。私は常にそうありたいと願ってきました。
 
スピーチを要約すると「情熱を傾けられることを必死に探して、勇気を持って自分の直感に従い、ハングリーに挑戦し続けること」です。

私が長々と書いたことを、これほど短い言葉で簡潔に表現していて、彼の凄さを改めて思い知りました。同時に、彼の話に多くの人が心を打たれたのは、これが人間にとって本質であることを私たちが「本能」として知っているからなのでは?とも感じました。

世界の構造を探求することは、資本主義経済といった世知辛いテーマから、自然や生命といった話、人生の本質のような哲学的なテーマまで広い領域に多くの示唆を与えてくれました。